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篠田 真由美  「建築探偵 桜井京介の事件簿」 [BOOKS]

最近、まとめていろいろ読んだ中で面白かったもの。
以前から気になっていた「建築探偵」シリーズの最初の4冊を続けて読んでみました。

長いシリーズになってるものって、刊行と同時進行で読んでないとなかなか手を出しにくいんですよね。
でも、私好みのシリーズでした。

未明の家未明の家
篠田 真由美

講談社 2000-01
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まずは一作目。「建築探偵」なんていうシリーズ名なので、ゴチックな舘物かと思ってしまいましたが(そういう部分もありますが)、意外と読みやすいユニット探偵もの。
旧家の大家族に起こった悲劇などモチーフにしていて、ちょっと懐かしい雰囲気もあります。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、クライマックスの謎解きシーンは大変ビジュアルで美しい。
すごく大胆であり得ないような設定ですが、世界観にマッチしていて妙な説得力があります。「ルパン三世」ぽいな、と私は思いました。


玄い女神―建築探偵桜井京介の事件簿玄い女神―建築探偵桜井京介の事件簿
篠田 真由美

講談社 2000-07
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一作目とうって変わって、かなり重い雰囲気のお話。
10年前、インド旅行中に男が「密室死」した。10年の時がたち、男の恋人は当時の旅行仲間たちを山荘に誘う。あの時の真相を探るために。そして、さらなる悲劇が起こる。
いわゆる吹雪の山荘もの(吹雪じゃないけど、孤立状態という意味で)。
真実の重苦しさも、解決編のどんでん返しと意外な真相も鮮やかで、4冊読んだ中では、一番これが好きです。


翡翠の城―建築探偵桜井京介の事件簿翡翠の城―建築探偵桜井京介の事件簿
篠田 真由美

講談社 1995-11
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前2作のインパクトに比べるとかなりまっとうな舘物。
明治時代から続く伝統のホテルを経営する一族の内紛。創業者の娘である95歳の老女が住む館を取り壊そうとする者たち、そして一族の争い。舘に潜む謎とは一体……?
本格の舘ミステリとして、直球な印象です。とても面白かったのですが、途中でいくつか謎の検討がついてしまった……。
気持ちよく騙されることができなかった自分が悔しい。
でも、舘好きな方にはお勧めかも。


灰色の砦灰色の砦
篠田 真由美

講談社 1996-07
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主役ユニットのうちメインの2人が大学に入りたての頃のお話。古い学生寮での共同生活の雰囲気が良く出ていて楽しそうで、それだけにラストが切ないです。
ラストエピソードのひとつはあまりにやりきれない。
すべてが過去の事なんだ……という話にしていてくれなかったら、ちょっとつらすぎました。そのあたり、構成がうまいです。


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