SSブログ

Magic Party無事終了しました [BOOKS]

IBM東京リングの1stイベントである、Magic Party。おかげさまで、盛会のうちに終えることができました。
ご来場いただいた皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。

終了時に皆さんと撮影した記念写真他、会の様子をホームページでご覧いただくことができます。

http://www.ibmring.jp/

終了から一週間経ち、その間にメールやブログでいろいろと嬉しいご感想を頂きました。
至らない点もたくさんありましたが、次に活かせるよう、努力いたします。

今回はお披露目の意味での特別イベントでした。今後は地道に活動しつつ、また全く違う形で、みなさんとお会いできるといいな、と思います。

ありがとうございました!
nice!(0) 

酒飲みの品格 [BOOKS]

ちょっと閑話休題。
ボナ植木さんのHP内、3/4のSOMETHINGで「わきまえた酒飲み」の一人と認定していただきました。嬉しいです(^_^)

ちょうどタイムリーに読んでいた漫画、『総務部総務課 山口六平太』最新59巻に、"酒飲みの品格"と題する前後編話が載っていました。作画の高井研一郎先生は、わきまえた酒飲みの大先輩です。

いいお話です。みんなで読んで、品格ある酒飲みになりましょう。暴飲は厳禁です。楽しくね♪

総務部総務課山口六平太 59 (59) (ビッグコミックス) 総務部総務課山口六平太 59 (59) (ビッグコミックス)
林 律雄

小学館 2008-12-26
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



ホームズ探索後編は、もうちょっと後で。
nice!(0) 

ゆうきとも・多田文明 「だましの技術!」 [BOOKS]

だましの技術!(ナレッジエンタ読本15) (ナレッジエンタ読本)だましの技術!(ナレッジエンタ読本15) (ナレッジエンタ読本)
ゆうきとも(プロマジシャン)×多田文明(ルポライター)

メディアファクトリー 2009-01-21
売り上げランキング : 3999

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


多田文明さんの著書「ついていったらこうなった キャッチセールス潜入ルポ」を4年ほど前に読みましたが()、さまざまな怪しい勧誘に体当たり取材で挑み、結果ひどい目にあう様子がとても面白い本でした。
そんな「だまされのプロ」と、「だましのプロ」(という呼び方はあまり好きじゃないけど)であるマジシャン・ゆうきともさんとの対談本。なかなか読み応えがありました。

まず、多田文明さんから、自著でも語られている「だまされ体験」でのあらゆる勧誘団体の手口が紹介されます。体験内容は前著とほぼ同じなので既読のことなのですが、ゆうきともさんの合いの手がいい感じに入っています。読者が疑問に思うだろうところで質問が入り、なぜそこに誘導されるか、についての軽い解説も加わり、読みやすくなっていますね(ゆうきさんを知ってる人は、口調を想像しながら読むとより楽しめます^^)。

その後、ゆうきさんによる、マジックで利用されている誘導の技術について解説されるのですが……。これは、マジックを学ぶ人は一読の価値あり、かな。おぼろげには理解しているけれど、きちんと説明しろ、といわれると誰もが自信がない「ミスディレクション」について、各ケースに分類して非常に詳しく解説されています。

わかりやすく解説してくれているので、一回読んで、何となくわかった気になりそうな危険もあるかも。
一般の人ならそれでいいと思うのですが、マジシャンだ、という自覚がある人は、勉強しなおすチャンスでは。と、自戒を込めて書いておこう。

ともかく、読み物としても面白いですし、読みやすいマジック理論の本としてもお薦めです。
それと、多分これが本来の対象かと思いますが、騙されやすい人に注意を喚起するために薦めたいところです。うちの母にも読ませようかなあ。
nice!(0) 

15万語突破 [BOOKS]

怒涛の新年会週間が終わりました~。会社関係、マジック関係、その他友人関係で、連日の宴会。
これは年末と同じパターンです。違うのはメンバーのダブリがないことでしょうか。先月は、ちょっとずつ違う同じよーな面子で行く年を惜しんでいたのでした。
どういう面子でも、一緒に楽しく飲めればそれで結構。

今週・来週は気合を入れ直して、お仕事週間。今年度の勝負をかける大きな実験が待ち構えています。
2008年度の私の成果が、大成功か玉砕かがこの二週間で決まってしまう……のかな?
いつになく、ちょっとマジかも。


さて、遊びに仕事に奔走中の2008年度ですが、こつこつ進めていたことの小さな成果もいくつか。
その一つが、これ。去年の夏頃から始めてました。

めざせ100万語! 読書記録手帳めざせ100万語! 読書記録手帳
古川 昭夫

コスモピア 2005-03-26
売り上げランキング : 4554
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


英語多読のトレーニング。やさしい英文をたくさん読むことで、リーディングのスピードを上げようという訓練法です。
上記の本は読書記録用手帳なのですが、半分が記録用書き込みノート、残り半分が多読用テキストのレベル別リストになっていて、とても便利。
リストには五段階評価でお薦め度もついてます。私が読んだ時の感想とはだいぶずれていたので、これだけはいまいちでしたが。

100万語を読むのを目標にしよう!と掲げてますが、さすがに壮大なので、とりあえずの目先の目標を30万語に定めました。主にOxford Bookworms のStage 1、Stage2を対象に。語彙400~700語くらいで読めるテキストです。一冊あたりの語数は5000~7000語。
で、この半年でようやく半分の15万語を突破。サボりがちだったわりには、まあまあのペースかな。
心なしか、英語を読むペースが多少上がったような。効果は出てるような気がします。

記録していく、というのがこの方法のいいところですね。読んだ語数は減りませんから、着実に成果が数字として積み重なっていく。
ああもう嫌!と投げ出したくなっても、読んだ語数の数字を見ると「ここまでやったんだし……」と思い直すことができます。
ダイエットもですが、「記録する」というのは何事にも効果的のようです。

目標まで、折り返し地点に来ました。ここでちょっとペースを上げて頑張れればいいな、と思っています。
今年度の小さな成果でした。
nice!(0) 

長坂 秀佳 「浅草エノケン一座の嵐」 [BOOKS]

浅草エノケン一座の嵐 (講談社文庫)
浅草エノケン一座の嵐 (講談社文庫)長坂 秀佳


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


新年初ミステリは、古い作品。第35回江戸川乱歩賞受賞の「浅草エノケン一座の嵐」です。
作者は、特撮ファンにはおなじみのあの!名脚本家、長坂秀佳氏。
「怪傑ズバット」「アクマイザー3」「キカイダー」などなど、キャラクターの心情に切り込むような、哀愁漂うストーリーは忘れられません。

その氏が描くのは、戦時色が濃くなる時世の、浅草界隈の芝居の世界。
ミステリとしての筋運びやラストのどんでん返しも読み応えがあります。が、なんといってもこの小説の魅力は、この時代の芝居小屋の空気にどっぷりと浸ることができること。
検閲が厳しくなって自由に芝居を作ることができなくなった時代に、それでも良い芝居を作ろう、芸を磨こうとする人々がもがく姿がこれでもか、と書き込まれています。

ずいぶん前から気にはなっていながら、今まで手に取っていなかったのですが、堪能しました。
芸能好きでミステリ好きな方には、絶対お薦め。
……なんですが、残念ながら絶版なんですよね……。Amazonの書影も出ないのが寂しい。

ご興味のある方は、古本屋さんや図書館でぜひお探しください。



ただ今の火星。極地へ向かう地面が出来てきました。

mars4.jpg

nice!(0) 

神永 学 「心霊探偵 八雲」 [BOOKS]

心霊探偵八雲 (1) (角川文庫 (か51-1))心霊探偵八雲 (1) (角川文庫 (か51-1))
神永 学

角川書店 2008-03-25
売り上げランキング : 54283
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


霊が見える赤い左目を持つ青年、斉藤八雲が怪事件の謎を解く。
現在までに、番外編含め8冊が出ているシリーズものです。今年春に文庫化された第1巻をたまたま手に取ったのが運のつき。
2~7巻を図書館で借りて、徹夜で一気読みしてしまいました。一晩で6冊読破は、久々の記録です。

リズムがよくて、とてもビジュアルな文章を書く作家さんだなあ……という印象です。
視点人物がばんばん変わって、事態が進展していく様子がスピーディに描写されます。展開が早くて面白く、登場人物の心情もよく書き込まれていてとても読みやすい。キャラクターも魅力的です。良い意味で、漫画感覚で楽しめる小説です。

全体的に、せつない話が多いかな。思いを残して死んだ人の霊の物語なので、どうしてもそうなります。
作者もあとがきで述べていますが、主要人物の状況が固定されたシリーズものではなく、主人公の八雲を始めとする登場人物が事件を通じて少しずつ成長して前に進んでいく様子が描かれ、シリーズ全体が一つのドラマを形成する仕掛けになっています。
これがまた、読み出したら止まらない理由かもしれません。「キャラもの」にはなってほしくないけれど。

メディア展開もずいぶんされていて、ドラマや漫画にもなっているようです。
今年の3月に、舞台化もされていたようで……、残念、もう少し早くハマっていたら絶対観に行ってたのに。

今月末に、文庫版第2巻が発売される予定です。
お薦め。


今日はこれから成田空港へ。会社の仕事で、サンディエゴに出張します。
この本の第1巻を「たまたま」買ったのは、先月の出張時、成田空港の本屋さんでした。ほんとに暇つぶしのつもりだったんですが。
今回もまた、そんな本との出会いがあるといいな。

では、いってきます。
nice!(0) 

追悼・氷室冴子 [BOOKS]

新聞の訃報欄を見て、しばらく固まってしまいました。

かつては亜流、しかし今や最も売れるジャンルの一つといってよい『ライトノベル』は、この人から始まったといっても過言ではありません。
コバルトの女王、氷室冴子。
51歳、あまりに早い旅立ちでした。

哀悼の意を表し、お気に入り作品を並べてみました。

なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)
氷室 冴子

集英社 1999-04
売り上げランキング : 57175
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

なぎさボーイ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)なぎさボーイ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)
氷室 冴子

集英社 1984-09
売り上げランキング : 3503
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

さようならアルルカン (集英社文庫 52B)さようならアルルカン (集英社文庫 52B)
氷室 冴子

集英社 1979-01
売り上げランキング : 54466
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ジャパネスクやクララ白書が有名どころですが、私のイチ押しは「さようならアルルカン」。
ともすれば心のバランスを失いそうだったあの頃に、この本に出会えたことは幸運でした。
一読者としてお礼を。そして、ご冥福をお祈りいたします。
nice!(0) 

悠玄亭 玉介 小田 豊二 「幇間(たいこもち)の遺言」 [BOOKS]

幇間(たいこもち)の遺言幇間(たいこもち)の遺言
悠玄亭 玉介 小田 豊二

集英社 1999-02
売り上げランキング : 171004
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

数年前、ある舞台で悠玄亭玉八師匠と一度だけご一緒させていただいたことがあります。
そのとき初めて、「幇間芸」というものを目の当たりにしたのですが、その幅広さ、奥深さに驚嘆しました。

「たいこもち」というとそれまで落語に出てくる、
「よッ、旦那、あの見世の妓があんたに岡惚れ!にくいね!」
なんてお座敷でヨイショして盛り上げる人、という漠然としたイメージしか、恥ずかしながら持っていなかった私ですが。

舞台で拝見した屏風芸は、日舞や落語などさまざまな芸に通じた人にしか成し得ない、まさに「総合芸能」と言えるような素晴らしいものでした。
ちょっとした物真似などにも、しぐさや声色になんともいえない味わいがあって、目が離せないのです。
幇間芸ってすごい!と目からウロコが落ちた舞台でした。

この本は、その悠玄亭玉八師匠のさらに師匠に当たる、悠玄亭玉介師匠にインタビューした聞き書き本。
聞き書きの名手、小田豊二さんの手によって、幇間が470人もいた昭和初期のお座敷遊びの模様が、実に生き生きと描き出されています。
当事者しか知りえない、お座敷でのしきたりやその裏表など、民俗・文化的資料としての価値も非常に高いです。

外国人女性のたいこもちも居たそうです。その人が松旭斎天勝の一座に一時期在籍していた、なんて話もちらりと出てきました(いろいろな芸人・名人の話が出てきますが、残念ながら奇術師の話が出てくるのはこの数行だけです)。

たいこもちはお客様を盛り上げるのが仕事。驚くような理不尽な要求をするお客様もいたようです。
でも、理不尽さのなかにも「粋」な理不尽と「野暮」な理不尽があったようで、この当たりの感覚が現代の私たちにはわかりにくい。お座敷というのは人生経験を重ねた旦那がたの遊び場だったのだなあ、ということを感じる場面です。

芸を見せるのが本業の芸人と、たいこもちとの違いを語った言葉もありました。持ち芸を見せる間合いに関する話です。
「座が白けて、いわゆる間がもたなくなったら、自分から何か座持ちのいい芸をやってみるっていう程度で、本気で芸なんかみせちゃいけない」
「自分の芸を生かそうとすると、自分の遊びになっちゃう。お客様を遊ばせなけりゃいけない」

現代の接客にそのまま引き写して考えるわけにはいきませんが、非常に考えさせられる、含蓄のある言葉です。

残念ながら現在絶版のようですが、図書館や古本で読むことができます。
日本のお座敷芸の歴史をひもとく上で、非常に価値ある一冊です。お薦め。


nice!(0) 

高橋葉介 「夢幻紳士 迷宮篇」 [BOOKS]

先週の三連休は、めずらしく何にも予定を入れていない、ぽっかり空いた連休でした。
こんなのは久しぶりです。大概、何かしら外出の予定があるものですが。

何も予定がない、っていいですねえ。
家中ぴかぴかに掃除できたし、会社から持ってきた宿題も処理できたし、ジムに2回もトレーニングに行けたし。あとはDVDを観たり、読書したり。夕食にはちょっと凝った料理なんかも作ってみたりして。
のんびりできた上にいろいろ片付いて、大変有意義でした。

で、買い込んだ本を片っ端から読破していったのですが、その中で一番トリップできたのがこちら。

夢幻紳士 迷宮篇
高橋 葉介

早川書房 2007-05
売り上げランキング : 83740

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

大好きな高橋葉介さんの「夢幻紳士」シリーズ最新刊です。目眩めく怪奇と幻想の世界。

「幻想篇」「逢魔篇」から続く三部作の完結編ですので、これ単品で読むより、三部作の最初から読んだ方がいいでしょう。
繰り返し繰り返し、同じモチーフや台詞が現れ、行きては戻りつ、ひとつの場面に収束していきます。
次々と場面が変わり、時にはインサートされ、前に出てきたシーンが形を変えて現れるコマ割りは、幻想映画を観ているような気分。
それでいて独りよがりにならず、読者に心地よい着地点を用意しているところはさすがです。
三作とも主人公の同じ台詞で物語を閉じる、というのも粋。

高橋葉介さんの漫画を読み始めて20年以上になりますが、常に私の好きな漫画家ベスト3に入っています。
面相筆を使った独特の絵柄は、人によって好き嫌いがあるかもしれませんが、ハマると病み付きになります。

シリアスな作品でもコメディでも、常に怪奇趣味と幻想的設定、ナンセンスが織り込まれた作風がすごく好みなのです。
というより、私の趣味の方が高橋葉介作品に影響を受けているんだろうなあ……。

設定や舞台を変えて描かれ続けている「夢幻紳士」。
4人目の夢幻魔実也の物語を堪能できて、幸せな連休でありました。


夢幻紳士は別格として、他の高橋葉介作品で私が好きなのは「クレイジーピエロ」。
スプラッタなシーンが多いので、グロが苦手な方にはとっつきにくいかもしれませんが、ピカレスクロマンの傑作です。

クレイジーピエロ (ヨウスケの奇妙な世界 (14))クレイジーピエロ (ヨウスケの奇妙な世界 (14))
高橋 葉介

朝日ソノラマ 1999-08
売り上げランキング : 128305

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

nice!(0) 

スケプティクス3連発 [BOOKS]

ずいぶん更新をサボってしまいました。ひと月ちかくかな?
仕事もマジックもプライベートもそれなりにイベント続きではあったのですが、自宅でPCに向かう時間がなかったわけでもなく。今回のは、なんとなくの更新サボりでした。
影の管理者S嬢からのフォローは、珍しくなかったなあ……。

さて久々の更新は、本の感想から。
近所の図書館が改装休館中なので、読みたい本は買うしかなく、ここ一ヶ月、新刊・古本・ネットを問わず買いまくってます。
本代がかさむ、というのもさることながら、狭い我が家のスペースを圧迫中。早く図書館の改装が終わってほしい。

疑似科学関係の本をまとめて読んだので、面白かったものをご紹介。

トンデモ超常レポート傑作選トンデモ超常レポート傑作選
志水 一夫

楽工社 2007-08
売り上げランキング : 3465

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

と学会の志水一夫さん、久しぶりの新刊です。「大予言の嘘」から10年ぶりくらいじゃないでしょうか。
オカルト、超常現象に関してこれまでに書いた記事を収録。冷静に矛盾点を突き、読者の興味をひきながら解説していく筆致はさすがです。

巻末に、同じく超常現象デバンカーの皆神龍太郎さんとの対談が載っていて、記事より毒舌な志水節が堪能できます。個人的にはこれが一番面白かったのですが。
結構、古典的な事柄も扱っているので、トンデモ基礎教養本としてもよろしいかと。


水はなんにも知らないよ水はなんにも知らないよ
左巻 健男

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-02-25
売り上げランキング : 1035

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

疑似科学というのは、本当に次から次へと出てきます。
本が出るだけでなく、それを信じる人も次から次へと出てくる、というのはなぜなんでしょう。

去年、何に驚いたかって、「水は答えを知っている」が小学校の道徳の教材に使われているらしい!という情報。
「水は答えを知っている」は「きれいな言葉を書いた紙の上で凍らせた水は、きれいな結晶になります。きたない言葉を書いた紙の上で凍らせた水は、きたない結晶になるのです」という趣旨の本。
わかりやすくトンデモな本だなあ、と本屋で立ち読みしながら爆笑したものですが。
こ、これを真面目に生徒に教えている先生がいるんですか?いくら理科の先生じゃないからって、それは問題あるでしょう。
小学校教諭に信じている人がいる、しかも児童に指導、と私には二度びっくりの情報でした。

で、この本です。「水は答えを知っている」だけでなく、「アルカリイオン水」「パイ・ウォーター」など、巷にあふれる怪しげな「水ビジネス」をまとめて一刀両断。わかりやすく解析してくれてます。
また、後半は人体と水の関係についての解説があり、理解を深めることができるようになっていて、これ一冊で水関係にだまされなくなること間違いなし、の良書です。

惜しむらくは、地味~な新書装丁であること。上品な装丁ではあるのですが。
写真満載で派手な「水は答えを知っている」にハマるような人は、この本を手に取ることはないんじゃないかなあ……。


スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)
香山 リカ

幻冬舎 2006-11
売り上げランキング : 9094

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

最後は、香山リカ女史の新書。ここ最近読んだ中では、これが一番勉強になりました。久々に付箋を貼りながら読んでしまった。

冒頭、精神科に「前世について知りたいんです。どうしてわからないんですか!」という患者さんがやってきた、という話でつかみ、「前世」「守護霊」などを口にすることに抵抗がなくなってきたのでは、と展開していきます。
スピリチュアル、はっきり言うと江原啓之ブームに対する言及なのですが、決して批判ではなく、やんわりと警鐘を鳴らすに留めています。

あくまで精神科の専門医としての立場から、冷静に分析。批判はしない。肯定もしない。
この立ち位置と表現の絶妙さには、思わずうなってしまいました。
著者も書いているように、現在、スピリチュアルを肯定する人がだんだん増えてきていて、否定することが「融通のきかない人」「ものわかりの悪い人」と判断されてしまいかねない時代になっています。
それを踏まえて、こういう表現になっているんだなあ……。いろいろ、勉強になります。
スピリチュアル肯定派も否定派も、目を通しておいて損はない本です。




オカルト・超常現象に関して言えば、私は。
「あったらいいなとは思うけれど、納得できる証拠がないものは受け入れられない。でも、ないことが証明されていないものに関して否定はしない」というスタンスです。
一応、科学技術でメシを食ってる人間の端くれとして、先人の積み上げてきた理論に敬意を持っていますし、また一方、現在の科学に限界があることも承知しているつもりなわけです。

科学は万能ではない。証明できないことがあったからこそ、科学は発展してきたんですから。
化学や薬学だって、元をたどれば錬金術の副産物のようなものでしょう?金を作ることはできなかったけれど、たぶん金以上のものが生まれてきています。
UFOにしても、UMAにしても、追い求める人々の真摯さがある限り、本流から外れたところで何かが生まれる可能性はあると思うのです。
万が一、そのものが本当に存在したら、すごいと思うし。

ただ、最近流行りのスピリチュアルに関してだけは、ちょっと違う感想を持っています。
まだうまく考えがまとまらないのですが、カウンセリングとして機能する分には良いけれど、ちょっと外れると危うい面を持っているな、と。
「あなたが悪いのではない。そのままでいいのですよ」と言われるのはとても心地よいけれど、与えられたものをそのまま疑わずに取り入れてしまうのは、一種の「思考停止状態」なのではないかと思うのです。

「自分の頭で考える」ことを放棄してはいけない。絶対にいけないと。
これは私が常々、思っていることです。この話は、もうちょっとまとまってから。


nice!(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。