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W・ハルトゥング 「中世の旅芸人 奇術師・詩人・楽士」 [BOOKS]

中世の旅芸人―奇術師・詩人・楽士中世の旅芸人―奇術師・詩人・楽士
ヴォルフガング ハルトゥング Wolfgang Hartung 井本 〓二

法政大学出版局 2006-12
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11~14世紀ごろのヨーロッパに存在した「旅芸人」について書かれた本です。
音楽家、詩人、役者、曲芸師のいずれか、あるいはすべてをこなし、路上をさまよい、時には王侯貴族に仕えて生活していた人々。定住して暮らす市民とは一線を画するマージナルな存在としての旅芸人について、その生活様式やメンタリティを文献(主に叙事詩)を読み解きながら論じています。

読み物ではなく学術書なので読みやすいとは言えませんが、章ごとに独立した事象を扱っているので、興味のある章から拾い読みできます。
「芸人としての女性」「芸人の組織化」あたりが私は興味深かった。旅芸人を束ねる"芸人王"というリーダーがいたり、"兄弟会"なんていう団体があったそうです。

そもそも、奇術師についての話が書いてあるかな、と思って読んだのですが、それほど書いてありませんでした。
「魔術」という言葉で時々出てはきますが、独立して奇術師について書かれた部分はありません。
そこがまた、奇術や曲芸やほかの芸の境界があいまいだった時代を感じさせるところではありますが。


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